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カブト虫採集を趣味にしている人ではなく、もちろんビートルズの熱狂的なファンのこと。


'Ladies and gentlemen...'
The Beatles: The Ed Sallivan Show, CBS TV, February 9, 1964
(Laurel Sercombe)

マネージャーのブライアン・エプスタインによってもともと革ジャンにリーゼント姿でステージに立っていた「荒々しい」ビートルズが揃いのスーツにマッシュルームカットの「可愛い、優等生の」ビートルズに変身させられたことは有名だが、この学者Sercombeによると、

その音楽性よりも「ビートルマニア」と呼ばれた熱狂的な10代の女の子たちこそがビートルズがポピュラー音楽史に果たした最大の貢献だという。何故なら彼女たちこそ70年代に入ってから巻き起こった女性解放運動の「先駆け」または「兆候」であったからだ、そうである。

実際キャーキャーいう女性の声は初期のビートルズの映像、ドキュメンタリー映画を観れば際立っている。私自身中学時代に近くの映画館に『ビートルズがやってきた、ヤーヤーヤー』とか『ヘルプ』など三本立てで観たとき感じた感想もそうであった。そういえば『アニメ・ビートルズ』なんてのもテレビで夕方放送していて、食い入るように観ていた覚えがある。

ビートルズの面々がスタジオから出てくると夥しい数の女性ファンたちが殺到してきて、メンバーたちを追いかける、というオープニングだった。

さて「キャーキャー」言われたポップスター(またはロックンロールスター)は50年代のエルヴィス・プレスリーがいたわけだが、プレスリーの場合は「真面目な女の子は悪い男の子が好き」という構図であり、男性ファンはマッチョで、女性ファンはまさに中産階級のお嬢さんたちであった。ところが初期のビートルズファンはほとんどが若い女性であり、マッチョではなく「可愛い」、見ようによっては女性的な魅力を振りまくビートルズであった、と。

この論理にはロックのイデオロギー(暴力性、無法者、反抗者というイメージ)とは違ったポップの戦略が浮かび上がってくるように思うが、ポップというものがロックが持つ「女性蔑視」を実際に取り除いていったのか、またどのように取り除いていったのかはマドンナやらブリットニー・スピアーズなどの女性ポップスターのみならず、「両性具有」(アンドロギュノス)というイメージを打ち出したグラムロックなどにも係ってくるのではないだろうか。

それにしても結局この論文集、音楽論というよりもポピュラー音楽のメディア表象論といった感じで、やっぱり「ロックはライブでしょ」という意見(固定観念?)を真っ向から否定してくる論調のものが多い。

メディアとテクノロジー、これらが大事なのは分かってるけどね・・・。

ポピュラー音楽史というよりもアメリカのポピュラー文化史にとって1964年のエド・サリヴァン・ショーへのビートルズ出演が重要というのはその通りだろうけど、「女性解放運動」とビートルマニアの繋がりの説明は中途半端だな。

それはそうと『アニメ・ビートルズ』が久々に観たくなってきたよ。
 
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