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月一のイエーツの読書会。

この会10年くらいは続いていて、私が参加してからは4年くらいが経つ。リーダー的な人とけんかして殴ってからは3年くらいかな。「殴った」というのは大袈裟だけど、あまりにもこのおじさんしつこく絡んでくるので、頬を軽くはたいた。

それ以来このいい歳のイエーツ研究者は来なくなった。

大方毎回詩を3ページ分くらいを2時間半ほどかけて読み合う(朗読、訳、解釈を含めて)。詩によっては10行くらいを一時間かけて読まないといけないときもある。一人で読むには難しすぎて分からないのだ。

「詩」というと部外者の方々にはなんともポエムというかファンタジーな世界を思い描いて「ちょっと勘弁」となるのだろうが、

そんなことはないですよ!

イエーツの詩の世界を単純化すると、アイルランド独立運動、オカルト、欲望(特に性欲)、こんな感じだ。とくにイエーツの「性」への執着は凄まじいものがある。昨日読んだ詩でそれを再認識した形。

イエーツはオカルトの影響でこの世とは別の実在の世界(アニマ・ムンディと彼は呼ぶ)を想定しがちなのだけど、止みがたい性の渇きががっちりとこの世に縛り付けているわけです。困ったことに老人になればなるほどその執着がイエーツの場合激しくなる。

常識的に彼の詩を読んでいくとどうしても「変態じじい」なのである。

まあこのスケベさがイエーツの魅力なんだけどね。

The first of all the tribe lay there
And did such pleasure take ---
She who had brought great Hector down
And put all Troy to wreck ---
That she cried into this ear,
'Strike me if I shriek.'
(A Man Young and Old)

その部族(トロイ人)の一番の者(女)がそこ(私の腕)に横たわった、
そしてあまりもの快楽を味わったーーー
彼女、偉大なヘクターを破滅に導き、
そしてトロイの全てを灰塵に帰した女はーーー
(私の)この耳に「私がもし叫び声を上げるようでしたら、
叩いてください」と泣いて懇願するほどに。

一応説明的に訳してみたけど、イエーツの個人的な性体験をトロイ戦争の原因となった美女ヘレンを抱いた男の記憶に重ね合わせているんです。

どちらにしてもエロい、'Strike me if I shriek.'

この詩を書いたのはイエーツが63歳くらいのときである。自分の女性体験をかなり生々しく回想する詩人であるなー。

この性/生への執着がこの詩人をファンタジーの世界というよりも俗世の世界に思考を引き留めるのである。

けっこうイエーツが好きになってきた!
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